こんにちは、金森然です。
今日は、先日の北信越大会でACP講師を務めてくださった星野力先生との思い出を少し書かせていただきます。
高校3年生の頃、進路に悩んでいたときのことです。
高校の先生から「柔道の特待で大学の話があるから、聞いてみないか」と言われました。
「え?なんで自分みたいに実績のない人間に?」と不思議に思いましたが、聞くだけならタダだし、とりあえず話を聞いてみることにしました。
そして学校に来てくださったのが、星野力先生でした。
いろいろ話してくださったと思いますが、正直ほとんど覚えていません。
ただひとつ、鮮明に覚えているのが
「君、釣りするの?大学、海が近いから釣りし放題だよ」
と笑いながら言われた言葉。
そのとき、少しときめいたのを覚えています(笑)。
実際に大学入学後、先生に釣りに連れて行ってもらいました。
その後、練習にも参加させていただき、先輩たちの優しさにも惹かれ、家に帰ってなんとなく「大学行ってみたいかも」と親に言ってみたら、「いいよ」とあっさり返ってきてびっくりしました。
当時の自分は「地元で就職しても、この先なんとなく見えてるなぁ」と感じていたので、あの選択が大きな転機になりました。
大学に入ってから受けた星野先生の指導は、今まで経験したものとはまるで違いました。
練習メニューも独特で面白く、何より印象的だったのは「考えさせる」指導。
先生は言おうと思えばすぐに答えを出せるのに、あえて言わない。
学生が自分で考え、気づく時間を大切にしてくれる指導でした。
自分はとにかく星野先生に見てもらいたくて、常に先生の目の前で乱取りをすることを意識していました。
練習中もつい先生のことをチラ見していました。
そんな先生からいただいた数々の言葉の中でも、今でも忘れられないのがこの一言です。
「柔道が強くても何もならない。」
最初は意味がわかりませんでした。
というか、指導者がこんな言葉を言うなんて、正直びっくりしました。
でも、先生のもとで過ごすうちにその意味が少しずつ腑に落ちていきました。
柔道だけ頑張っても、社会に出たら通用しない。
でも柔道で学んだ「考える力」や「礼節」、「努力の仕方」は、どんな場所でも生きる。
先生の言葉は、まさにそのことを教えてくれていたのだと思います。
(もし違っていたらごめんなさい、先生笑)
星野先生との思い出は数えきれません。
でもひとつだけ確実に言えるのは
自分は星野先生と出会って、そして大学の仲間たちと出会って、人生が180度変わったということ。
これは大げさでも何でもなく本当です。
キャプテンも経験できし、弱っちぃ自分が、全国大会に出場することもできました。
何より胸を張って柔道が大好きと言えるようになりました。
社会人になった今、あらためて星野先生の偉大さを実感しています。
どこに行っても「星野先生の教え子です」と言うだけで、「あの人には世話になったよ」と温かく迎えてくださる方がたくさんいます。
そのたびに、先生がどれだけ多くの人の心に残る方なのかを感じます。
さて、この多大なる恩をどう返していこうか。
すぐには難しいけれど、これからの人生で少しずつ、先生に教えてもらったことを体現していけたらと思います。
あの「釣りし放題だよ」のひと言が、自分の人生を変えたと思っています。
あの日の自分が“ときめいて”本当によかったです。
先生、これからも変わらずご指導よろしくお願いします!
そしていつかまた、一緒に釣りに行きましょう。
