いまから、ここから、ひのまる社長の独り言(その490:柔道マガジン、創刊します!)

2011年6月、第2回スポーツひのまるキッズ東北大会の開催準備で東北地方を回った際、多くの保護者から、過去の大会のパンフレットが欲しいと言われました。

 東日本大震災で被災した人たちでした。自宅が津波にのまれ、子どもたちの写真や、背丈を刻んだ家の柱が流されていました。

 スポーツひのまるキッズ大会のパンフレットには出場した子どもたちの当時の身長や体重が掲載されています。保護者たちは、子どもたちとの失われた思い出を取り戻そうとしていました。

「紙のかたちで残す必要がある」

強く思いました。


もちろん、覚えているよ!確かあれが最初の日本上陸だった。そして、日本選手の強さ、礼節の大切さなどを直接感じることができた。いい思い出だ」

昨年の東京オリンピックTOKYO2020、柔道男子100キロ超級の記者会見。

司会者と入賞者という立場で隣り合わせになった時に柔道界のスーパースター、テディ・リネール選手(フランス)に「15歳の時に日本に来て試合をしたことを覚えている?」という私の問いに返ってきた答えでした。

当時、2004年に開催された第17回近代柔道杯にはその前年より世界5か国から選抜チームが出場、その年、すでに190㎝のリネール君を擁したフランスチームはベスト8進出。周りから頭3つくらい突き抜けていた彼の一挙一動に会場は釘付けになっていたことを今でも忘れられません。

思い起こせば36年前。

「誰もが参加できる全国大会を開催し、全員を近代柔道の誌面に載せればどんなに喜ばれるか!」

という熱い思いだけの新入社員企画が採用され、それから32年間、前述の海外選手受け入れや、テレビ放送まで、様々な創意工夫で中学生柔道家に『夢』を提供し続けてきたベースボール・マガジン社の近代柔道杯。

奇しくも上記の会話があったその年にコロナ禍による大会中止を持って終了となった時、創案者としてどうしてもその灯を消したくないという思いから全日本柔道連盟と共にこの理念を引き継ぎ、今年の3月に『第1回柔道マガジン杯全国中学生柔道大会』として再出発いたしました。

そしていよいよ創刊となったこの『柔道マガジン』。

世の中がものすごい勢いでIT化が進み、信じられないスピードで回っている今だからこそ、 国内唯一の柔道情報誌として一つでも多くの情報をたくさんの人々にお届けするとともに、様々なメディアやイベントと連動するプラットフォームとして一人でも多くの人々の思い出を残す『場』の役割も担います。

 本号では昨年7月から今年5月までの記録、写真を掲載しました。今後は各大会のリポートはもちろん、トップ選手のインタビューや対談企画、テクニック企画、柔道界のあらゆるニーズに対応。より多くの方に夢を提供し、絆を深めるお手伝い・・、

いまから、ここから、ONLY ONE & ALL IN ONE の柔道専門誌のスタートです。

永瀬義規

いまから、ここから、ひのまる社長の独り言(その490:柔道マガジン、創刊します!)” への2件のコメント

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です