ひのまるキッズ柔道

道場訪問記 第2回 白根柔道連盟 鳳雛塾

鳳雛塾

2010年10月5日訪問

新潟県新潟市南区白根--かつては白根市だったが、平成17年の、平成の大合併により新潟市に編入合併。米どころ新潟らしい、自然に恵まれた広大な田園地帯だ。そんな白根の地で"日本一"を目指して日々汗を流している『白根柔道連盟 鳳雛塾』を訪ねた。

目覚ましい活躍の秘密

『白根柔道連盟 鳳雛塾』が創設されたのは平成7年。今から15年前と、それほど昔のことではない。しかし、ここ数年の鳳雛塾の活躍は目覚ましく、今や、少年柔道界で鳳雛塾の名を知らない人はいないほどの知名度となってきている。星野力代表をはじめとする指導者の方々の少年柔道への熱い思いが鳳雛塾を急激に成長させていると言っていいだろう。

鳳雛塾
鳳雛塾
鳳雛塾
鳳雛塾

指導する矢部恵一コーチ

練習は火曜、金曜、土曜の週3日、午後7時から9時(土曜日は4時半~6時半)。
星野代表が接骨院を営んでおり、他の指導者の方々もみなそれぞれ仕事を持っているため、先生方の到着が少し遅れることもあるそうだが、子供たちは、時間になるとランニング゙などの準備運動をスタート。上級生が指揮を取る。
そして、星野先生が来ると道場の空気は一変、そこから本格的な練習の開始となる。

練習場となっている白根カルチャーセンターは公営の施設とあって、道場は約130畳と広々としている。この広い道場を使って火曜日と土曜日に練習している他、金曜日は白根高校柔道場で行っている。
この練習の他に、道場生の父母が中心になって、矢部恵一コーチの家の納屋を改築して作った鳳雛塾という30畳ほどの道場で、選抜した選手中心の強化練習も行うこともあるという。

普段の稽古に関して、「もちろん、厳しい面と楽しい面の両面ありますけど、かなり厳しいほうだと思いますよ。
ただ、その厳しいというのは、勝った負けたではなく、一生懸命にやっているかどうかとか、返事や挨拶がきちんとできているかという部分が中心です。
今の子供たちは、一生懸命になる、なり方がわからない子が多いんですね。どこかで手を抜いてしまうというか、本気になれないところがある。だから、怒ったり褒めたり、状況や子供によって使い分けながら、自分でも日々考えながら子供たちに指導しています」と星野代表。

鳳雛塾
鳳雛塾
鳳雛塾

あるきっかけが鳳雛塾を変えた

鳳雛塾が全国で成績を残せるようになったのにはあるきっかけがあったそうだ。
道場を立ち上げた頃、星野先生は、「いい柔道をやっていれば、負けてもいい」と子供たちに言っていたそうだが、コーチの矢部恵一氏と弟の健二氏が、東京から地元に帰ってきて指導するようになったある日、「これだけ練習しているんだから、勝てないのはうそでしょう」と言った言葉がきっかけになり、星野代表自身が意識改革。それから、勝ちにもこだわるようになり、それに伴って結果も出るようになっていったという。
矢部兄弟は、中学から東京の講道学舎に入塾して厳しい練習を積み、中学・高校時代は全国のトップレベルに身を置いていた経歴を持つため、その言葉は星野代表にとって、"日本一"という目標を持つ、大きな後押しになったようだ。
こうした意識改革もあり、少しずつ実績を残し始めた鳳雛塾が初めて全国の舞台に立ったのは平成13年。そして翌平成14年には全国少年柔道大会で3位入賞を果たす快進撃を見せ、夏の全日本少年錬成大会では4回の優勝を誇る強豪チームに急成長を遂げた。

鳳雛塾
鳳雛塾
鳳雛塾
鳳雛塾

乱取中に練習を止め、指導する星野力代表。
気が付いた時にその都度細かい指導をし、反復で練習させている

練習に関しては、取りたてて特別なものがあるわけではないが、星野代表はじめ、矢部恵一コーチ、向吉嗣コーチ、鈴木久コーチらが、近くで目を光らせ、その都度細かい指導を与える。強いて言うならば、そのキメ細かい指導が強さの秘訣と言えるだろう。
練習は道場での稽古がほとんどで、あまり他道場への出稽古には行かないという。

親御さんの協力

「出稽古は私があまり好きではないんですよ。県外へ行けば、親御さんへの負担がどうしてもかかってしまいますし、なにより、技を練るには自分の道場でやるのが一番だと思うんです。出稽古ばかりでは技も柔道も雑になってしまうし、ケガをする可能性も高くなりますからね。素質のある子は、正直なところ試合にもあまり出したくないと思っています。これは自分の今までの経験から感じていることなんですけどね」と星野代表。
目先の勝ち負けだけにこだわらず、長い目で選手育成を考えている星野先生らしいお話だ。

現在の塾生は約50人。小学生だけでなく、近隣に通う中学生も、学校での部活のあとにやってくる。
道場の立地的な問題もあり、ほとんどの子供が保護者の方々に送り迎えをしてもらっている。それだけに、「親御さんの理解が重要だし、親御さんの協力があって、はじめて子供たちは柔道ができている。親御さんの一生懸命さには頭が下がりますし、私たち指導者も、親御さんたちの協力で助かっていることがたくさんありますから本当に感謝しています」と星野代表。

目指すは、全国少年大会優勝!白根っ子たちの奮闘に期待だ!

鳳雛塾
鳳雛塾
道場の名称 白根柔道連盟 鳳雛塾
道場の住所 新潟県新潟市南区白根1453
指導員 代表 星野 力(五段)
矢部恵一(三段)
向 吉嗣(三段)
鈴木 久(二段)
お問い合わせ先 星野接骨院 025-372-4224
練習場所 火曜・土曜:白根カルチャーセンター
金曜:白根高校柔道場
練習日 火曜・金曜・土曜
火 午後7:00~9:00
金 午後7:00~9:00
土 午後4:30~6:30